購入記録@中央書店コミコミスタジオ
 
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ボーイズラブ小説感想をネタバレありでご紹介。コメント&トラックバックはいつでも大歓迎!
2006年の抱負は「新作もだけど旧作もね」ってことで頑張ります。
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目次
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HACCA'S TEXT(27)
あすま理彩(3)
麻生玲子(3)
麻生雪奈(3)
英田サキ(7)
池戸裕子(7)
和泉桂(3)
五百香ノエル(13)
岩本薫(7)
磯崎なお(1)
いとう由貴(1)
今泉まさ子(1)
いおかいつき(3)
いつき朔夜(1)
上原ありあ(2)
うえだ真由(8)
烏城あきら(5)
畝ちうさ(1)
榎田尤利(11)
岡野麻里安(6)
おのにしこぐさ(1)
華藤えれな(6)
鹿住槇(14)
鹿能リコ(3)
可南さらさ(1)
加納邑(4)
かわい有美子(ゆみこ)(1)
神奈木智(6)
きたざわ尋子(4)
杏野朝水(1)
樹生かなめ(11)
京橋ナルミ(1)
久我有加(7)
柊平ハルモ(1)
高月まつり(12)
小塚佳哉(2)
剛しいら(7)
今泉潤(2)
甲山蓮子(2)
木原音瀬(1)
佐倉朱里(2)
佐伯まお(1)
桜木知沙子(13)
坂井朱生(2)
崎谷はるひ(6)
櫻井ちはや(1)
榊花月(日夏塔子)(9)
皐月かえ(1)
沙野風結子(1)
新堂奈槻(1)
愁堂れな(8)
嶋田まな海(1)
椎崎夕(3)
秀香穂里(6)
菅野彰(18)
末吉ユミ(1)
春原いずみ(1)
砂原糖子(5)
染井吉乃(1)
たけうちりうと(6)
竹内照菜(1)
谷崎泉(12)
高遠琉加(春加)(10)
橘涼香(1)
高岡ミズミ(11)
高槻かのこ(2)
高崎ともや(1)
高尾理一(1)
橘紅緒(3)
玉木ゆら(1)
月村奎(12)
月上ひなこ(4)
月夜野亮(9)
飛田もえ(3)
遠野春日(10)
七地寧(2)
中原一也(2)
花本ロミオ(2)
葉澄梢子(1)
パンサー鈴木(1)
バーバラ片桐(2)
鳩村衣杏(9)
花川戸菖蒲(1)
火崎勇(12)
菱沢九月(3)
妃川螢(9)
日向唯稀(1)
ひちわゆか(1)
ふゆの仁子(4)
藤村裕香(2)
椹野道流(9)
藤崎都(3)
松前侑里(13)
松永也槻(2)
松岡なつき (8)
真船るのあ(2)
真崎ひかる(2)
雅桃子(2)
水壬楓子(17)
水月真兎(2)
水戸泉(4)
水上ルイ(3)
峰桐皇(4)
三沢ナカ(2)
水無月さらら(1)
深山くのえ(2)
森本あき(2)
桃さくら(1)
森住凪(1)
夜光花(3)
ゆらひかる(1)
夢乃咲実(2)
雪代鞠絵(6)
義月粧子(5)
吉原理恵子(3)
李丘那岐(1)
六青みつみ(5)
六堂葉月(1)
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妖魔なオレ様と下僕な僕(6) 妖魔なオレ様と下僕な僕(6)

椹野道流&唯月一(イーストプレス・アズノベルズ)

そろそろかなと思っていたシリーズの続編が登場。前作では内容が内容だったのでカバーイラストも明るくキラキラしていましたが、今回は絵巻物が題材だけあってなかなか渋みのあるカバーイラストでした。実は紫が最近のマイブーム(次のサイトリニュアルでは紫系統でいきたいと思っていたりするくらいです。時期は当然未定だけど)なので特に良く見えているのかもしれない・・・。

妖魔でありながら人間の生活に溶け込み行き続けている司野(しの・攻)と死にかけていたところを助けられた代償に下僕として心身共に捧げることを余儀なくされた正路(受)のコンビに新たな憑き物おとしの依頼が舞い込む。見るからに曰く付きな不気味な絵巻物に取り込まれてしまった持ち主を救い出すという現実離れな依頼を正月早々受ける事になった司野。当然ながら正路も絵の中に作り上げられた異世界へ共に行こうとするが、主である司野は「来るな」と言い置いてたった一人で絵の中に向かって行った。数日待っても戻らない司野に我慢し切れなくなった正路は無謀にも単身絵の中に沈みこんで行く。

全体的に見てもより一層、司野と正路の関係が甘くなっていて時折読んでいて恥ずかしくなるくらいなんですが、妖魔である司野が人間の心の機微に疎い以上、正路がどんな小さい&些細なことでも言葉にして伝えるようにしているからにはこの照れくささは作品を楽しむ上で避けては通れないものですね。正路の惚気のような状況描写が私の中の羞恥心を誘って下さいます・・・これがいわゆる羞恥プレイというヤツかしら(笑)
そして今回の注目点はやはり司野の猫耳(あえてネコミミとは表記しません。複雑なので)でしょうか・・・正直ビックリしたし個人的には歓迎しかねる展開だったんですけど、今作ではそんな司野を見ることが出来ます。前作ではショタ要素があり今回では猫耳とは・・・なんでしょう、これって椹野先生が望んで書いているのか気になります。確かにこのシリーズ好きなんですけど、ちょっとここ二作は内容よりもビジュアル重視的な流れに思えてしまって気分的に複雑でした。いや、可愛いには可愛いんですけどね。でも二作も続くとさすがに疑問に思ってしまうし、そういうビジュアル的な楽しみをこの作品に求めていたわけではなかったので戸惑いが残りました。次回は少しまともになって下さっていると良いのですが・・・。

実際ストーリー展開としては今後の方向性を示唆するような部分も見られますので、さほど典型的な同人傾向に偏ってしまうとは思ってはいませんが、ようやく物語が大きく進みそうなので早く次が読みたいですね。今回の作品を勝手に位置付けるとするならば、今後も最大の敵として登場するであろうカギロイとの戦いに向けてのお楽しみ的な感じです。勿論今回もちゃんと妖魔と戦ったりもするんですけど、基本的に正路語りで司野との関係がより精神的に深くなっていく様を知らしめているというイメージが強かった。
今後への前準備段階とでも言うようなストーリーでしたが、その反面で今回のこの内容でわざわざ一冊とる必要性があったかも少し疑問です。私が思うに今回重要だったのは


  • 死者であるはずの辰冬(ときふゆ)が正路の夢の中(現実とも取れる)に現れ現世でも出会うと告げる。

  • カギロイが野望に向け着実に進んでいると知る。


の、二点だけだと思う。中でも辰冬が告げた予言めいた言葉が一番今後の展開を考える上では重要なんですが、それ以外って結構いつどの作品でも盛り込めた気がするんですよね。司野と正路の遣り取りを始めとした妖魔としての司野の変わり様についてはシリーズを通して今までもたくさん表現されていますので今更目立って気にする程の大きな変化はなかっただけに、気持ち冗長さを感じた。椹野先生はどうしても長編とかシリーズといったイメージが強いのですがリダンダンシーだったとしてもその割合が必要以上であった事は否めないような気がしました。

最後に正路について。彼は司野の身を案じ自衛のための力はなくとも異世界に飛び込むというとんでもない行動に出ていますが、これは彼の美点でもあり欠点でもありますよね。今までも感じていましたが無鉄砲と言うか考えなしと言うか・・・でも、彼のそんな部分が司野を引き付ける最大の魅力でもあると思います。確かに司野の言う通りちょっと自惚れ気味のように見える部分もありますから、今後は彼のそういう部分がどういう方向に流れるのかも気になるところです。
司野については凄くわかりやすい流れを辿っているため今は正路に対するよりも安心安定した気持ちで見ています。彼が変わっていくのは今までの流れからしても当然ですし、ある程度どうなるのかも予想がつく。そういう意味で一番気になるのはやはり正路だよなぁと改めて思ったのでした。次回作ではどういう展開になるのか楽しみです。とりあえず、物語そのものを進めて下さると嬉しいかな、なんて思っています。


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HACCA at 2006.07.07 | Comments (2) | TrackBack (1) | Clip | BlogPeopleTags | はてなブックマーク

コイゴコロ。 コイゴコロ。

水壬楓子&高永ひなこ(成美堂出版クリスタル文庫)

久しぶりに水壬先生の学園モノを読んだような気がします。初出が2004年なのでもう二年程前の作品ではあるのですが、他シリーズのファンタジーやハードボイルドの印象が強いので新鮮な気持ちで読めました。高永先生のイラストも可愛いやら色っぽいやらで好感触。高永先生の裸体絵って普段の作風に対して結構エロいですよね・・・ギャップがいいので全く文句はございませんが、今回はいつもよりドキドキしてしまいました。ストーリーの勢いもあるのでよりそう感じてしまったとは思いますが。

五歳の頃に優大(ゆうだい・攻)は父親に連れられ公園で一組の親子と対面する。見た目が女の子のように可愛らしかった高也(受)という名の子供は引っ込み思案で最初は父親の陰に隠れていた。それでも優大が手を差し伸べると恐る恐るその手を握り返し、二人は初対面から仲良くなった。それから12年、二人は親友という関係を続け、今も同じ学校に通い寮でも同室だった。しかし少しずつ今までとは違う雰囲気は二人を絡めとり離すことはなく・・・17歳の二人は少しずつ変化する関係を前に途方に暮れていた。

ラストまで読めば爽やかな気持ちになれる、そんな無垢なラブストーリーです。「コイゴコロ。」は優大視点で進みますが、書き下ろし(書いてから時間は経過しているそうですが)で収録された「恋心。」は高也視点で、同じ時間の同じ物語をそれぞれの角度で読み解くことができるのは嬉しいところ。近頃こういう形はあまり見なかったので手法に懐かしさを感じました。個人的にはより深く知るという事に面白さや楽しさを見出してしまう人間なので、こういう手法は大好きです。ましてやこの二人のように傲慢さと繊細さが同居するような恋愛についてはよりそう思います。
ただの同級生同士というわけではなく二人は幼馴染という事もあってか幼い頃の記憶があるため、そんな思い出を上手く使ってあるおかげで無垢で純粋な高也の気持ちが際立っています。当然ながら二人ともお年頃ではあるので最終的に性的な欲望はあるんですけど、そこに辿りつくまでの流れが結構好きでした。

元ヤクザの息子ということもあり高也の幼少時は決して楽しいだけではありませんでした。でもそんな彼の日常をガラリと変えてしまったのが優大で。幼い頃の記憶って忘れていそうで、とても大切なことだけはきっち憶えていたりする(忘れられない)ものなんですよね。特に周囲の子供達と遊ぶことさえ出来なかった高也が年月を重ねその思いを恋という形の愛情に変えていくのは必然だったようにも思います。
優大は様子のおかしい高也のことが気にかかり始めた事をきっかけとしてようやく自分の本当の気持ちに気付くという、高也の想いの長さからするととても鈍感ではあるんですけど、それも彼らしいと言うか・・・変化なんてありえないと思うほど優大にとって高也という存在は大気中の空気同様にいつもあるものだったんだと思います。物理的な過程として成熟していくのは優大の方が先なんですが、誰にも言えない秘めた恋心を押し隠していた高也の方が精神的には大人へ近かった。二人の心身の成長スピードの差や違いが別個の人間同士であるという事を際立たせてくれました。

この作品には重要なオブザーバーとして優大の父がかなり重要な役を担って登場します。高也にとっては自分の気持ちを否定することもなくただ認めてくれた唯一の人間として、優大にとっては自分の気持ちを気付かせた人間です。ま、生来の気質が災いしてか息子である優大にはとんでもない嘘をついて挑発するという大胆不敵な人間なんですけど、二人の子供を同じように大切にし幸せを望んでいる。言葉や態度はぶっきらぼうですが、とても大きな人間でした。
この父親にしてこの子ありだと思うのは、優大の発する睦言の数々ですかね(笑)高也を手に入れたと自覚した彼の言葉はストレート過ぎて繊細な高也にはきっと凄く恥ずかしいと感じるはず。ちょっとエロオヤジっぽいセリフまで平気で飛び出してくるようにまでなっちゃってますから。はは。でも高也はそれを嬉しく思ってしまうんですよね・・・本人も不本意だと思うけど。そんな様も初恋を成就させた人間の微笑ましさを感じさせ可愛いものです。

彼らは十年後も平凡な恋人同士として付き合いを継続させているようです。同姓という点を除いては誰でも共感できそうな恋愛ストーリーだっただけに、彼らが大人になってからの日常的なエピソードも見てみたいです。これと言って大きな出来事はなくとも、彼らにはそれが一番似合っていそうなんですよね。こう言ってはなんですが彼らに何か珍しい事が起こったりすると逆に不自然かもしれない。すごく普通とか平凡といった言葉が似合う二人だと思うんです。そしてそれ故の幸せを実感させてくれそう。
それから・・・最後にこっそり質問。二人の父親達について、何だかちょっと意味深だったような気持ちになった方いませんか?そういう展開はありえなさそうだなぁとは思ってますが、どうも気になったと言うか・・・優大の父親が活躍すればするほど変な勘繰りをしてしまいそうなったんですよねー・・・いくらなんでも脳内腐れすぎでしょうか(笑)


コイゴコロ。コイゴコロ。
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HACCA at 2006.06.25 | Clip | BlogPeopleTags | はてなブックマーク

神父は夜の花嫁 神父は夜の花嫁

あすま理彩&あさとえいり(海王社ガッシュ文庫)

神父というよりヴァンパイアという単語に惹かれて購入してみました。あすま先生の作品を購入するのも久しぶり。ガッシュ文庫のファンタジーものは確率的に見ても当たりの場合が多いので久々に背徳的な人外モノを読んでみたいなぁと思ったのをきっかけに購入を決断したのでした。

結婚どころか恋愛も許されない神父の身でありながらボランティアで教会に足を運んでくれる俊樹に報われない恋心を抱いてしまった聖良(せら・受)は、もうすぐ結婚する俊樹への想いに日々身を焦がし続けていた。生まれてすぐ檜の木の下に捨てられていた聖良を引き取り育ててくれた司祭は体調不良で入院を余儀なくされており、一人きりで嵐の夜に孤独感を耐えながらも教会を守ろうとしていた聖良は、聖水を汲むために地下泉のある石部屋へ降りていく。誰もいないはずのその場所で聖良の前に現れたのは明らかに人ならざる雰囲気を纏った黒尽くめの吸血鬼・ジン(攻)だった。

オール書き下ろしでページ数も250近くあるので結構読みでがありました。しかし、その割には性描写が多くそこは食傷気味の感が拭えません。後半になるに連れその手のシーンは斜め読みしてしまいました。神父という職業を考えると相手が人外というだけでなくとも背徳的な雰囲気が漂うものなので、必要以上にそういうシーンが多くなるのは仕方ない気もするのですが、回数が多いとやっぱり有難味とか高揚感に慣れが出来てしまうんですよね・・・。それはあすま先生もわかっていらっしゃるのか道具を使ったり精神的に追い詰めてみたりと少々残酷な手法を交えて飽和度の解消をされてはいますが、一度感じてしまった飽食感はなかなか払拭しきれるものではないものですね・・・。
それに比例するように、性描写以外の部分で物足りなさが残りました。基本的に性描写以外の部分がとても良かっただけに、こちら側の描写が少ない事はのめり込むにはネックでした。また、突然キャラの心理描写が入れ替わっていた点も気になる。今の今まで聖良の気持ちで読んでいたものがいつの間にかジンの心理描写になっていたりする事が何度かあり残念だったと思う。過去の記憶についてのエピソードとの境目も解り難い。この作品のおもしろさを考えると上に挙げたような弱点はちょっと勿体無い失点だったように思います。

まず聖良という人間が許されない恋をしているという事がこの作品が進む上での重要なポイントではあるのですが、実は序盤からジンについては「何か因縁があるぞ」と思わせる表現が多数見受けられました。そしてそれがヴァンパイアであるジンのひどく人間臭く見せてくれる。彼が聖良を無理矢理手に入れようとしたのも全ては理由があってのことなんですが、それを少しずつ見せてくれるので聖良よりもジンへの同情が強かったです。
人外モノと言うと人間側が不利なパターンというのが多いのですが、この作品では聖良の健気さや弱さを前面に押し出している割にはジンの方が圧倒的に弱く感じてしまう。そういう部分が一番おもしろさを感じました。何故ジンが聖良の前に現れるようになったかという過去の出来事も含め、すごく純愛っぽいんですよね。性描写の多さが気になった理由はこの純愛度が霞んでしまうからです。無垢である必要はありませんが匙加減を間違うと良作も凡作に堕することになるだけに非常に残念。難しいものなんですね、やっぱり。ただ読むだけの私が言うべき事ではないのかもしれないですが。

ジンが残酷な仕打ちに出てしまうのも聖良を愛するが故で、でも本人が精神的に最も弱っている時にそばにいたのもジンだけだった。それに聖良が気付き、過去の出来事も含めて少しずつジンへ気持ちが流れていく過程は純愛の様相を見せてくれます。ちょっと贅沢を言うなら聖良視点が中心であるためジンの心情がもっと知りたかった。彼が本当は心の中でどれほど聖良を想っているのか等々・・・ま、だからと言って序盤での聖良への仕打ちが許されるわけではないのですが。
じゃあどうすれば彼らは最初から少しでも穏やかでいられたのか?と考えてみたのですが、ジンが最初から説明した上で聖良と接していたら(聖良ならば驚き怖れつつもジンの話を聞きそうなので)すれ違いや遠回り的な展開はなかったのかもしれない・・・という根本的な部分に戻ってしまったので慌てて考えるのを止める事にしました。それを言ったら全てが成り立たなくなるのでツッコミを入れてはいけない部分なんですよね。危ない危ない(笑)
総体的に見て、吸血鬼や神父といったキーワードが想像させるような雰囲気と展開は存在していたと思います。耽美的とまでは言えませんがそれに近い作品ではあったかな、と。この手の雰囲気の作品は久々でしたが読む前の予想よりは楽しめたと思います。やはり人外側であるジンが純愛要素を持っていたというのが最大の勝因ですね。


神父は夜の花嫁神父は夜の花嫁
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HACCA at 2006.06.24 | Clip | BlogPeopleTags | はてなブックマーク

有栖川家の花嫁 有栖川家の花嫁

雪代鞠絵&一馬友巳(雄飛アイノベルズ)

とりあえずタイトルで予約即決。アイノベルズからという事もあり、きっとそれなりに重いお話なんだろうなぁと思いつつも楽しみにしていた作品です。既に発売から結構日数が経過しているので現在ではどうかわかりませんが、この作品を含めリーフノベルズと合同で「June Bride Fair」が開催されており「花嫁カタログ」という小冊子も無事入手できました。
でもこのフェアはオフィシャルで確認する限り、私の住む鹿児島では一店もフェア開催がないんですよ(笑)こういう事って結構よくあることなので小冊子や非売品モノの入手はほとんど始めから気にしない事にしているのですが、この作品の小冊子はどうしても欲しかったので、オンラインショップで送料に涙しながら予約をしたのでした(あ、私はリーフFCには今のところ入っていないのです)。やっぱり地方在住はツライな。今はネットがあるからまだマシなのも事実ではありますが・・・ま、無事に入手できたから良かった。

母親を喪い一人きりで生活していた水晶(あきら・受)は長期間音沙汰のなかった実の父親から帰宅を命じられる。有栖川家という日本有数の大企業を統括する有栖川グループの末端分家である藤井家が水晶の実家だったが、幼い頃に妾であった母親が水晶と共に出て行った家でもあった。理由は不明ではあったが離れ離れになっていた姉の珠生と会えるという事もあり、水晶は父親の命に従い上京する。しかし、そこで水晶を待ち受けていたのは珠生の身代わりとなり、冷酷で死神と噂される有栖川家の次期当主・有栖川誉(攻)の花嫁になるという異常事態だった。

いや?おもしろかったです。権力者にその身を翻弄される身代わりの花嫁、というものは定番ではありますが王道の良さがあります。後書きで雪代先生が書かれていますが「好きなものを詰め込んだ」という言葉がよくわかる内容と展開でした。やっぱりはずさない王道モノは誰でも好きなものなんですよね。
でも、よく考えればこれって現代が舞台なんですよね?因習が蔓延る名門の家が中心のせいか、読んでいて時々時代を忘れそうになりました。イラストも場所も和風ですし、何より言葉そのものが古めかしい時もあるので本気で昭和初期とか大正ぐらいの設定の物語を読んでいるような気分になりました。途中で出てくるPCとかカラーといった単語で「あ、現代なんだった」と思い出す事を繰り返してしまった程です。

先に王道と書いていますので、大体の流れは未読の方も想像がつくと思います。身代わりになった水晶と人の気持ちが理解できない当主の恋愛ストーリーは、やっぱりラスト近辺までゴタゴタしてます。特に冷血で容赦ないと言われる当主の誉に関しては、お約束のように事業での恨みから暴漢に襲われて大怪我を負ったりも。勿論、それがきっかけとなり二人がちゃんとした形におさまるという流れもはずしてありません。
何故こうもしつこく王道・定番と書くかと言うと、目新しいものや新鮮さを求める人には合わないかもしれないからです。それほどこの作品は王道なんです。でも、だからこそ古き良き・・・といった美点もあるわけで。そういう部分を楽しめる方でないと物足りないと思ってしまうかもしれません。私個人はとても楽しかったんですけどね。

身代わりだった水晶が驚くほどポジティブな性格だった事が一番の幸いなのかもしれません。女装させられ花嫁となった挙句、己の戸籍は既に無くなってしまっている。しかも同じ男に抱かれるなんて冗談じゃあないですよね。しかもそれが自分達を見捨てた父親の策略によるものなんだから怒りも倍増です。でも、水晶は育ててくれた母親の性格を受け継いだのか、性格がとても前向きで暖かい。誉が受けた少年時代の心身の傷を癒せたのもその性格が一番の理由でしょう。それが原因で人の気持ちを理解できない誉を可哀相だという気持ちだけでなく、そこに愛しさという愛情を見出してしまったのも水晶ならば不思議でも何でもない流れです。
身代わりだった側が支配者の本当の姿を知る事により心を開いていくという展開はよくありますが、今回は水晶自身の発する言葉が高レベルだった。読み手の感情を動かせるレベルではあったと思う。それを発する人間が水晶であるという部分に不自然さや隙間を感じないから自然と夢中になってしまう。特に終盤辺りの水晶のセリフは拍手ものでした。こう言ってはなんですが、花嫁役の水晶が誰よりも男前で格好良かったです(笑)

水晶は酷い事をされても、同姓であっても、それでも誉という人間が辿ってきた人生の悲しさと孤独が全ての原因だと知ってしまった。一欠片もの愛情すら得た事がないという事実を思い知ってしまった。そしてそれが引き鉄だったかはわからないけど、理屈でもないし言葉で説明すら出来ない衝動を自覚した。
上手くまとまりませんが、誉にはそれだけでも良かったのかもしれません。同情だけではない、その上にある大きな愛情とも呼べる情けさえあれば良かったのかも。誉はそれを慈悲と呼んでいますが、実際のところ彼の心中を察するにはとてもピッタリの言葉だったように思います。

展開に無理はないですし、何より文章に気合が入っていらっしゃる分、今迄読んだ雪代作品の中では今回が一番楽しめました。この作品のサイドストーリーや番外編なんてあったらとても楽しそうです。実は脇キャラも魅力的な人物が揃っているので、そんな脇キャラから見た有栖川家当主夫妻の様子なんてものも知りたいところ。個人的お気に入りだった女中頭視点のストーリーなんて読んでみたいですね。


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HACCA at 2006.06.23 | Comments (1) | Clip | BlogPeopleTags | はてなブックマーク

地獄のカワイコちゃん 地獄のカワイコちゃん

加納邑&みろくことこ(オークラ出版アクア文庫)

2001年1月の同社からノベルスとして出版された作品が文庫化されました。さすがに五年近く前の作品なのでクオリティとしては満足とまでは言い切れませんが、ノベルスの時に未読だったので、この手の設定が大好きな私は結構楽しめました。
イラストのみろくことこ先生は最近雑誌でも見かけるようになりましたね。私は同人の方で初めて知ったのですが(いわずもがな出世ジャンルだったと思われる某三部作ファンタジー映画)、その頃より少しイラストのロリ化が進んでいる気がします・・・ま、そういう作品には合うのかも。そういえばこの方の映画同人誌も一時期オークション等ですごい値段ついていました・・・薄いコピー本で万単位だった記憶が。自分も全作品所持していただけにビックリしたのを憶えています。

雨宮葵(受)は学校からの帰り道に公園でカラスの集団に襲われているコウモリを助ける。しかし人なれした凶暴なカラス相手に劣勢になっていたところを、突然現れた男によって助けられる。コウモリの飼い主でもあるその長身美形な男は名を鬼門(きもん・攻)といい、なんとコウモリを助けた礼と言って突然その場で葵の唇を奪ってしまう。咄嗟に逃げたものの、なんと鬼門は葵の学校の教師として再び姿をあらわし、プロポーズまでし葵を口説き始めた。

ファンタジーなボーイズラブ小説です。何が笑えるかって、鬼門が洋風美形にも関わらずその正体が「地獄の閻魔大王」ってとこですかね。勝手で申し訳ないんですが、鬼門のイメージ(みろくことこ先生のイラストを含め)と閻魔大王って響きが似合わなくてちょっとおかしい(笑)
全編を通して、鬼門が葵をおとすまでの猛攻アタックと人の話を聞かない(と言うか、曲解し自分の都合に合わせる)部分との死闘でストーリーは進みます。それだけでも楽しいは楽しいのですが、もうちょっと地獄関連のエピソードが別にあれば面白かったのになぁと思います。敵という敵が出てくるわけでもなく、葵を溺愛するブラコンの兄しか目立ったキャラは登場しないので、盛り上がりがいまいち欠けました。
シリアスなシーンもほとんどなく、言い合い?なし崩し?気が付けば許容のパターンが続くだけだったのも残念。せっかく設定があるのにそれを生かしきれていない感じです。ぶっちゃけて言ってしまうと、この流れなら別に現代モノでもいけそうです。閻魔大王という権力を持った地獄のキャラなのであれば、その辺りをもっと利用してあったら、私は更に楽しめたと思います。

そうそう、ラストはちょっとイロモノ的なシーンが有り(笑)
それまで散々っぱら鬼門に抱かれていた葵ですが、それでも彼はむしろピュアなキャラでした。しかしラストのあれは・・・すごい。それまでは普通にセックスという形だったのですが、鬼門のプロポーズを受け入れた葵は彼の言うまま(まぁそれなりの抵抗はしますが)「地獄の婚約の儀」へチャレンジします。その内容というのが・・・想像すると100%誰もが笑っちゃうと思うんですけど、鬼門の弱点であり性感帯でもある角を葵へ挿入っていうね・・・(笑)本人たちは真面目なんでしょうが、想像するとめちゃくちゃ笑えます。いや?こんな体位(方法?)は見たことなかったです。角が伸びるわけでも何でもないので、葵の下半身に鬼門の頭があるようなそんな体位・・・色気を感じるどころか笑いを誘われてしまいましたよ!
もちろんコレって笑うところですよね?私の勘違いじゃなければ。でも、加納先生が愛を確かめ合う大真面目なシーンとして書かれていたとすれば、私の感性は謝罪しなければならないのかもしれない・・・とちょっと思いました(笑)


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