榎田尤利&やまかみ梨由(徳間書店キャラ文庫)
榎田先生ブームに乗りつつ今回はリーマンモノをセレクト。まず、いくつかのブログサイト様でも見たのですが、同じくあの帯のコピーに違和感を覚える。タイトルに思いっきり「ゆっくり」と入っているにも関わらず何故「暴走」という言葉をコピーに使おうと思ったんだろう・・・不思議で仕方ないですね。読んでみてもちっとも暴走してないし。むしろスロースピードだし!(笑)全く、帯には違和感を覚える事が多いですが(過去記事いろいろ参照)、今回はさすがに違いすぎて驚きました。煽ればOKってものじゃないと思うんですよね。BL感想・書評サイトって数は少ないんですから、発行元もたまにはリサーチくらいすればいいのにと思ってみたり。あ、こっちからメールで質問を送ってみるのもいいかも。結果が面白そうだなぁ。
この物語の主人公は分析能力に優れたメーカー営業指導員の里見(受)です。彼はとにかく仕事は出来ますが、イマイチ「人の感情」というものに鈍い。間違った事は言ってないし、むしろ意見や仕事に対する姿勢は正しいくらいなんですけど、言い方が良くないんですよね。良くないと言うより、言い方を知らないと言うべきかもしれません。しかも、表情にも乏しいので誤解をされまくる。そのせいで営業所に着いた早々、敵意を向けられます。対人関係って本当に難しくて、上手くやりたいならそれなりに社交性も必要になります。それは、自分をごまかすという事にもなりかねないから、出来たらそういう事は誰だってしたくはないでしょう。でも、そうも言ってられないのが社会です。もちろん、悪い事は悪いと言える勇気と決断力も必要ですが、あまり言いたくはないけど正直者が損をする場合も少なからず存在するのが今の世の中です。
里見にとってラッキーだったのは、自分を助けてくれる存在が営業所内にいたという点。この助けてくれる人間がお相手の立浪(攻)です。立浪は関東でも有名な実力派営業マン。だからと言って彼は自慢もしないし天狗にもならない。むしろ下手なくらいの態度と物腰です。こういう人って個人的にはとても好き。たくさんの「好き」を持っている人というものはいつだって魅力的です。彼の良さはありのままを受け止めてくれるという点じゃないでしょうか。これってなかなか出来る事じゃないから、すごいなと素で思ってしまう。
相手がそんな立浪ですから里見も少しづつ打ち解け、かつ自分の事を省みようと思う事も出来たんじゃないかなと思います。今までなら恋愛経験が低い自分や過去のトラウマを持つ自分、極度な方向音痴という弱みを持つ自分・・・そんないくつもの「自分」を表に出す事すら恥だと思っていたでしょうが、立浪の影響を良い方向に受け、だいぶ心に余裕が出来ているようです。心の余裕はそのまま対人関係にも影響を与え、彼は着任当初に比べるとずっと楽しそうに仕事をするようになります。仕事って、こういう気持ちでやれる事が何よりだと思うんですけど、私達の生きる現実ではなかなかそう上手くいかないから困ってしまいますね。
後半には続編のお話も入っておりますが、こちらは羽賀という間男が登場し二人の関係がギクシャクするという物語。個人的にはこういうエピソードもよくある恋愛事情としてアリだと思うんですが、羽賀という人間が個人的な好みとしてダメなタイプだった。自分を飾らず偽らずに生きていくその様はすごいと思うんですけど、だからと言って好きな相手を手に入れるためにいろいろ策を実行する人間は基本的に苦手です。好きなら何したっていいという訳じゃないと思っているので。そういう意味では、この後半の物語は印象は薄め。続編というならば、羽賀というキャラ以上のパワーと存在感を立浪&里見に持たせて欲しかったかな、と思いました。

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ほもほも日記(04/11/04)

月と凌霄花(04/11/04)

Lete raha -BL中心ひとこと感想-(05/01/19)
>>keitoさん
こんにちは〜TBどうもありがとうございました**
>ちょっと都合よすぎだよな〜と思ったのですよね
そうですね。確かにちょっとその感はあったかも。
とは言え、BLに限らずご都合主義的な展開は多いと思いますので、個人的にはそこはあまりツッコミを入れないでおこうかな、と(笑)
でないとファンタジーとか読めないし。はは。都合が良いととらえては後々本が読めなくなるので、特撮ものや時代劇のように「待ってました!」のノリでいようと思ってます。難しいですね。
本来は例えそういう展開であったとしても、それを読み手に気付かせない(感じさせない)書き方をするのが本道なんでしょうがそこまで出来る作家様は多くはないでしょうし、まだまだ今後に期待ですよね!
>榎田さんはレベルの高い作家さんだと思うからこそ〜
それは、皆さんそうでしょうね。
私はあまり作家ごとに個人単位でそういう感想を持つ事は少ないのですが、榎田先生くらいになるとそういう意見が多いのもわかります。実際、数ばかり多い作家様ほどあまり心に響かなかったりしますから。まぁ・・・適度にそういう意見も出すつもりではいます。あまり厳しい意見ばかりで作家様がやる気をそがれてもそれは私の本望ではないので。
・・・とか言ってますが、基本的におもしろい部分に目が行く人間なので厳しく指摘も!という事が元々出来ない私には余計な心配なのですが(笑)
HACCAさん、こんばんは!
お久しぶりです!
HACCAさんの更新がないと、寂しいな〜と思いながら、自分もあんまり更新できずに、細々?生息しています。
羽賀を登場させないで、単純に二人のその後のほうがよかったのではないかと思ったりしています。
まあ、羽賀も私は嫌いじゃないので、羽賀がもっと強引な男だったら、面白かったかもしれないなと思ったりw
今頃読んで、時期外れだったのですが、TBさせて頂きました☆
ハッカさん、こんばんは。トラックバックさせていただきました。
感想には書かなかったのですが、「これは大人の恋だから」で立浪が遭難場所に現れたのには、ちょっと都合よすぎだよな〜と思ったのですよね。私はそこがどうにも引っかかってたのです。ハッカさんをはじめ他の方の感想を読むと、ひっかかる部分は違うとしても、みなさん続編にはわりと厳しい評価をしてらっしゃる。自分の感覚が間違ってないと感じて安心しました。榎田さんはレベルの高い作家さんだと思うからこそ、もっともっとと要求が高くなるんですよね。