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その指も聲も その指も聲も

水戸泉&香林セージ(小学館パレット文庫)

和風ファンタジー。現代に生きる主人公達が持つ古の記憶に襲われるというある意味トリップ的な感覚のあるストーリー。で、もちろん書き手が水戸先生なので、エロあり。とは言え、薔薇シリーズほどその手のシーンの数は多くはありません。でも、少なく短いながらも濃厚な雰囲気が満載。水戸先生にしては物足りないくらいかもしれませんが、まぁ版元が小学館なのでこれくらいがベストなのかもしれません。メインもエロではないですしね。

主人公の芹沢由樹(受)は幼い頃に両親を亡くし、作家である六道辰巳(りくどう・攻)に引き取られ共に生活をしています。由樹は六道に対し恋愛感情を抱いているわけですが、二人の間には由樹が19歳になった現在も決定的な事実は何もありません。そんな由樹がある日海で信じられないような出来事に遭遇します。銀髪の少年が見る前で相手の操る触手を持つ異形に襲われてしまう・・・が、寸でのところでなんと龍が由樹を助けます。結局、その時の余韻を消化できずに自分の体の疼きを持て余した由樹はその事実を六道に見られてしまい、そのまま体を委ねてしまう。ここまでが現代パート。
そして舞台は過去の出来事に移ります。この手の設定ではどうしてもこういう方法で場面展開を繰り返す必要がありますが、そんなに何度もあるわけではないので、読んでいて混乱する事はないと思います。由樹が持つ宿命という名の連鎖は現代においても切れる事はなく、その古での悲しい出来事はかなり不幸ですが、それでも現代においてようやくその長い因縁を断ち切る事が出来たので読後感は悪くありません。悪役が驚くほど冷静残酷なキャラに仕立てられている点も良い。ここで変にどこかしら同情を誘うようなキャラ設定になっていると中途半端な立場でしか物語を楽しめなくなってしまうので。とは言え、そんな驚く程の残酷さを細かに書かれているわけではありませんのでご安心下さいませ。あくまで、彼の目的は力を得るという点においてだけ行動しているだけですので。正体が正体ですので動物的ですがそれこそが本質なので設定としては無理がないと思います。

ネタバレをすると、由樹は古の時においては竜神に惚れられた子供。そしてその竜神が六道。強大な力を得るために昔も今も由樹を狙う夜刀(やと・海辺で由樹を襲った銀髪の少年。正体は蛇)・・・この三者の因縁を終結させるための物語というところ。ファンタジーと言えばファンタジーです。まぁ触手とか出てきますがそれはもう水戸先生のカラーってことで。個人的にはもうちょっと量がかさんでもいいので、現代で六道と夜刀が闘うシーンは派手に繰り広げて欲しかったかも。ちょっとあっさりし過ぎかなと思うので。やっぱり長い時をかけて続く因縁を断ち切るわけですしね。過去編においての展開はかなりわかりやすく書かれてあるのでその点は高ポイントです。やはりこの時代の事をしっかり書かなければおもしろさも半減しますから。この手の設定が好きな人には十分楽しめる一冊じゃないかなと思います。


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HACCA at 2005.02.23 | Comments (2) | TrackBack (1) | Clip!! | BlogPeopleTags | はてなブックマーク

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Writekotonone::詞の音(05/09/30)

コメント
Jura(05/09/30)

こんばんは
私これ初水戸作品なのですけど、他のはもっとエロ濃いのですね、私はこれくらいで十分だわ(笑)
確かにハッカさんの言う様に夜刀と六道が戦うシーンはもうちょっとしっかり書かれていたほうが面白かったかもしれませんね。
六道が由樹になかなか手を出さなかったのは古の失敗からなのですよね。ゆきの時のように由樹には心を閉ざしてほしくなかったんだろうなぁという気がしました。

パソが直ったと言う事で、これから更新楽しみにしてますね〜
ではでは

HACCA(05/10/03)

>>Juraさん
こんばんは**
初の水戸作品、いかがでしたでしょうか(笑)
他はもっとエロが濃い・・・については、本当にそうだと思います。
しかしながら、水戸先生のエロには何故かストーリー性を感じる時もあって、そういう時は濃さが逆に盛り上がりを作ったりするんですよ〜薔薇シリーズがこの類にかかるかも。

>時のように由樹には心を閉ざしてほしくなかった〜

そうかもしれませんね!
同時に、自分の弱さもあったと思います。
この辺りは明確になっていない部分も多々あるので想像でしかありませんが、そうだったとしたら六道をより身近に感じることが出来るよなぁと思ったりしました。

PCも戻りましたので、以前の遅れを取り戻すべく頑張りますね〜!







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