五百香ノエル&松本花(新書館ディアプラス文庫)
シリーズ番外編二作目。このシリーズのファンを悶絶させまくりそうな学生編に更に続編が登場しております。しかも、直接的な性描写はないものの、きっとそれよりずっと淫靡なシーンもあり。私はこういうエロさの方がそのものよりもずっと好きです・・・これって、所謂ムッツリというものか??EX1ではまだまだ幼さを残していた二人ですが、今回は違います。そこここに色気があります。浮名の自慰行為とも言えますが、ちょっと倒錯的なものです。お陰で以前よりまた浮名への好意がアップしました(笑)
それぞれ別の大学に進学した宮古天音(みやこあまね・受)と樋尻浮名(ひじりうきな・攻)は逢うとやはり険悪な雰囲気になってしまうという関係は改善されずにいた。そして天音に遅れること約一年、ついに浮名もデビューが決定した。そのお祝いにとミステリー研究会のメンバーと秘湯・幻影温泉を訪れる。そこで浮名は一人の女性に声をかけられる。雪緒という名のその女性は天音の元恋人であったと知り、天音に対する執着への自覚がないまま浮名は彼女の知る天音の姿を知りたくて誘いにのる。そこに少し遅れて集合場所へやって来たのは本人である天音だった。
えー・・・どこから触れていくべきか迷いますが、とりあえず雪緒について。彼女は本気で天音を好きでしたが、本気になれなかった(天音は本気だと思っている)天音に対し好きだからこそ別れを選択しています。そこは、とてもよ〜くわかるんですが、そもそも天音のような芸術家タイプの人間は才能に愛された人間特有の鈍感さや潔さがあるものです。彼女も自称恋愛のプロなのであれば、そんな天音をバックアップをするような愛し方を出来なかったのですから、天音にあれほど噛み付くのはお門違いな気。内助の功タイプでなければ天音のような男との愛を貫くのは難しいでしょう。でも彼女はそうじゃなかった。それだけのことなんです。天音の特異性を理解せず愛だけを求めておきながらあの言い様はさすがにないんじゃないかな、と・・・。
そもそも、男性経験も多い彼女なら天音が童貞だったことからも彼が恋愛において絶対的に経験数がないこともわかっていたと思うんですよね。そういう部分では浮名の方が同性という事もあってか、よっぽど天音を理解していました。天音の女の趣味が悪いと言うよりも、不慣れだからこそ自分と違うタイプに惹かれてしまうという恋愛上の青さが大学生になっても見られるのかもしれない。
ただ、浮名も気付いてますが天音の無意識下の行動も確かに彼女を傷付けていたのは事実です。経験がない天音だからこそ、そんな自分には気付いていないんですけどね・・・無知は罪と言うか、責めるに責められない部分なので彼女も気の毒ではありました。ま、それでも経験豊富な方が気付けなかったんだからプロと言いたいなら遺恨を残すなと私は思いますけど。
でも、そんな彼女が二人の関係の真実に誰よりも先に気付いていたのかもしれません。唯一、天音と浮名共に仲の言い仲介役の千野という女性もいますが、性という面においては彼女よりも雪緒の方が体の関係がある分、より確信めいています。悲しいかな、一人の女性を傷付け悲しませた当の本人達の方がずっと鈍感でした・・・これじゃあ雪緒がキレてしまうのも仕方ないかも、と。気の毒です、心から。
とは言え、浮名はこの頃から天音への執着がどういう類のものであるか自分でも気付いてるようです。本編一作目の"骸谷温泉殺人事件"での登場シーンからはわかり辛いんですけど、多分、彼は本編での登場時にも天音への想いを自分自身わかっていたのかも・・・。だから、ようはきっかけとタイミングだったのでしょうね。学生時代からの五年のブランクも功を奏していると思う。今回、雪緒という女性を抱くことで浮名は天音の閨中での房事を知ろうとしました。でも、それはやっぱり普通とは違うわけです。これが愛憎以外の何であっただろうか、という事ですね。
それにしても雪緒との房事はかなり淫靡でございました・・・浮名のやっている事は雪緒を見てはおらず、彼女を抱きながらも天音を抱いていたようにしか見えません。その様の美妙なことと言ったらもう・・・このシーンだけで今作は大満足だったりもします。そのくせ、本人を前にすると嫌味や手酷い言葉を投げつけてしまう浮名も不憫ですが、天音並にプライドが高いですよね。そもそも、天音ばかりがプライドが高かったらここまでこじれていないんですよ。浮名も天音に負けず劣らずのプライドの高さです。これは本編ではあまり見えない浮名の男らしさでもありますので、貴重な姿でした。
今回の書き下ろしは、幻影旅籠その後というショートと、次回作に繋がる同窓会のお誘いネタのショートの2本です。特に次回作のプロローグに当たるショートの方は自分を置いて男に会いに行った(勿論そこに恋愛は絡んでいません)天音を恨みながら、電話の相手である千野へ天音への想いを赤裸々に語りまくる浮名の姿が笑えました。手に入れられない過去の天音すらも欲する浮名の執着はすごいものです・・・ちなみに、松本花先生のイラストがめちゃくちゃ可愛いですよ!浮名の想像する過去の天音像が可愛くて可愛くて。乳児な天音、幼児な天音、幼児園児な天音、小学生な天音、中学生な天音とにかく天音天音天音・・・しかもどの天音像にも眉間に皺があるのが笑えます。やっぱり浮名にとっても天音と言えば気難しそうな眉間の皺と反射的に思ってしまうのでしょうか。彼はそんな皺ですらも漏れなく欲するのでしょうけど(笑)
今回はEX1と違い、浮名視点と天音視点の交互に物語が進むのでお互いの気持ちをつぶさに知る事ができます。前作での天音の不明点を知りたいという気持ちが強いだけに、これは嬉しい流れでした。次回作はこの学生時代の面子が揃ってでの本編ストーリーですから、かなり期待が高まります。彼らの総まとめ的な作品になりそうな予感もありますけど。雑誌は読んでいないので早く読みたくて読みたくて・・・シリーズ旧作の感想もアップできたので新作が出た時は思う存分浮かれた感想を書けそうです(笑)

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Lete raha(06/06/19)

月と凌霄花(06/06/19)
はじめまして。HACCAさん。セナと申します。
今韓国に住んでいる韓国人でございます。日本BL小説のファンなんです。^^ 日本語はまだまだですので、なんか間違った部分があればぜひご指摘くだされば嬉しいです。^^
MISTERIOUS DAMシリーズのレビューを求めて辿り着きました。私は五百香先生の作品は初めてなんですけれども、MISTERIOUS DAMシリーズの一作目の「骸谷温泉殺人事件」を読んで大好きになりました。元々ミステリーは好物ですし、このカップルがあまりにも可愛くて...
今2作目まで読み終わって、残りの本も注文して、待ち侘びています。二人の過去である番外編のストーリが気になって、HACCAさんのレビューを読ませていただき、嬉しさと好奇心がぐちゃぐちゃです。(苦笑)
天音の昔の彼女ですか...一作目でちょっと話が出てきたけどあまり気にしなかったんですが、昔そんなことがあったんですね...私は本はまだよんでないけどその雪緒って人はあまりいい感じじゃないんですね。天音に失恋したのは可哀相だけれどなんか〜ちょっと苦手なタイプです。
浮名は雪緒を通して天音を感じたかったかもしれないけど、私は天音と浮名のラブラブぶりしか知らないから、なんか彼が他の女を抱くのを見るのはちょっと辛いかもしれませんね。(汗) HACCAさんは本文で、
それにしても雪緒との房事はかなり淫靡でございました>
とおっしゃってましたけれど、結構描写が濃いとか...ですか?(涙)ノマル同士の絡みは苦手なもので...教えてくだされば嬉しいです!(涙)
やっぱりBLは女絡みがないのが嬉しいもんですよね。(苦笑)
初めてなのにおしゃべりすぎてすみません。これからも遊びに来させていただいてもいいですか?^^