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ボーイズラブ小説感想をネタバレありでご紹介。コメント&トラックバックはいつでも大歓迎!
2006年の抱負は「新作もだけど旧作もね」ってことで頑張ります。
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目次
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砂原糖子(5)
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たけうちりうと(6)
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ふゆの仁子(4)
藤村裕香(2)
椹野道流(9)
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松永也槻(2)
松岡なつき (8)
真船るのあ(2)
真崎ひかる(2)
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水壬楓子(17)
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水戸泉(4)
水上ルイ(3)
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三沢ナカ(2)
水無月さらら(1)
深山くのえ(2)
森本あき(2)
桃さくら(1)
森住凪(1)
夜光花(3)
ゆらひかる(1)
夢乃咲実(2)
雪代鞠絵(6)
義月粧子(5)
吉原理恵子(3)
李丘那岐(1)
六青みつみ(5)
六堂葉月(1)
INDEX水壬楓子コイゴコロ。

コイゴコロ。 コイゴコロ。

水壬楓子&高永ひなこ(成美堂出版クリスタル文庫)

久しぶりに水壬先生の学園モノを読んだような気がします。初出が2004年なのでもう二年程前の作品ではあるのですが、他シリーズのファンタジーやハードボイルドの印象が強いので新鮮な気持ちで読めました。高永先生のイラストも可愛いやら色っぽいやらで好感触。高永先生の裸体絵って普段の作風に対して結構エロいですよね・・・ギャップがいいので全く文句はございませんが、今回はいつもよりドキドキしてしまいました。ストーリーの勢いもあるのでよりそう感じてしまったとは思いますが。

五歳の頃に優大(ゆうだい・攻)は父親に連れられ公園で一組の親子と対面する。見た目が女の子のように可愛らしかった高也(受)という名の子供は引っ込み思案で最初は父親の陰に隠れていた。それでも優大が手を差し伸べると恐る恐るその手を握り返し、二人は初対面から仲良くなった。それから12年、二人は親友という関係を続け、今も同じ学校に通い寮でも同室だった。しかし少しずつ今までとは違う雰囲気は二人を絡めとり離すことはなく・・・17歳の二人は少しずつ変化する関係を前に途方に暮れていた。

ラストまで読めば爽やかな気持ちになれる、そんな無垢なラブストーリーです。「コイゴコロ。」は優大視点で進みますが、書き下ろし(書いてから時間は経過しているそうですが)で収録された「恋心。」は高也視点で、同じ時間の同じ物語をそれぞれの角度で読み解くことができるのは嬉しいところ。近頃こういう形はあまり見なかったので手法に懐かしさを感じました。個人的にはより深く知るという事に面白さや楽しさを見出してしまう人間なので、こういう手法は大好きです。ましてやこの二人のように傲慢さと繊細さが同居するような恋愛についてはよりそう思います。
ただの同級生同士というわけではなく二人は幼馴染という事もあってか幼い頃の記憶があるため、そんな思い出を上手く使ってあるおかげで無垢で純粋な高也の気持ちが際立っています。当然ながら二人ともお年頃ではあるので最終的に性的な欲望はあるんですけど、そこに辿りつくまでの流れが結構好きでした。

元ヤクザの息子ということもあり高也の幼少時は決して楽しいだけではありませんでした。でもそんな彼の日常をガラリと変えてしまったのが優大で。幼い頃の記憶って忘れていそうで、とても大切なことだけはきっち憶えていたりする(忘れられない)ものなんですよね。特に周囲の子供達と遊ぶことさえ出来なかった高也が年月を重ねその思いを恋という形の愛情に変えていくのは必然だったようにも思います。
優大は様子のおかしい高也のことが気にかかり始めた事をきっかけとしてようやく自分の本当の気持ちに気付くという、高也の想いの長さからするととても鈍感ではあるんですけど、それも彼らしいと言うか・・・変化なんてありえないと思うほど優大にとって高也という存在は大気中の空気同様にいつもあるものだったんだと思います。物理的な過程として成熟していくのは優大の方が先なんですが、誰にも言えない秘めた恋心を押し隠していた高也の方が精神的には大人へ近かった。二人の心身の成長スピードの差や違いが別個の人間同士であるという事を際立たせてくれました。

この作品には重要なオブザーバーとして優大の父がかなり重要な役を担って登場します。高也にとっては自分の気持ちを否定することもなくただ認めてくれた唯一の人間として、優大にとっては自分の気持ちを気付かせた人間です。ま、生来の気質が災いしてか息子である優大にはとんでもない嘘をついて挑発するという大胆不敵な人間なんですけど、二人の子供を同じように大切にし幸せを望んでいる。言葉や態度はぶっきらぼうですが、とても大きな人間でした。
この父親にしてこの子ありだと思うのは、優大の発する睦言の数々ですかね(笑)高也を手に入れたと自覚した彼の言葉はストレート過ぎて繊細な高也にはきっと凄く恥ずかしいと感じるはず。ちょっとエロオヤジっぽいセリフまで平気で飛び出してくるようにまでなっちゃってますから。はは。でも高也はそれを嬉しく思ってしまうんですよね・・・本人も不本意だと思うけど。そんな様も初恋を成就させた人間の微笑ましさを感じさせ可愛いものです。

彼らは十年後も平凡な恋人同士として付き合いを継続させているようです。同姓という点を除いては誰でも共感できそうな恋愛ストーリーだっただけに、彼らが大人になってからの日常的なエピソードも見てみたいです。これと言って大きな出来事はなくとも、彼らにはそれが一番似合っていそうなんですよね。こう言ってはなんですが彼らに何か珍しい事が起こったりすると逆に不自然かもしれない。すごく普通とか平凡といった言葉が似合う二人だと思うんです。そしてそれ故の幸せを実感させてくれそう。
それから・・・最後にこっそり質問。二人の父親達について、何だかちょっと意味深だったような気持ちになった方いませんか?そういう展開はありえなさそうだなぁとは思ってますが、どうも気になったと言うか・・・優大の父親が活躍すればするほど変な勘繰りをしてしまいそうなったんですよねー・・・いくらなんでも脳内腐れすぎでしょうか(笑)


コイゴコロ。コイゴコロ。
水壬 楓子 高永 ひなこ
成美堂出版 2006-06
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HACCA at 2006.06.25 | TrackBack (0) | Clip!! | BlogPeopleTags | はてなブックマーク

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